日本語図書案内

日本語図書案内 9号 20110214
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日本語図書案内 9号 20110214
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新年快楽!

小学校もお休みが終わり、普段どおりの生活がもどってきましたね。
今年もどうぞよろしくお願いします。
今回は、セミナーとワークショップの話題と図書とサイトのご紹介です。

1. 日本語教師セミナー&ワークショップのご案内

 日本語教育に関心のある方なら、香港日本語教育研究会会員、非会員の区別なく、無料でご参加いただけます。
 くわしくは、添付の案内と申込書をご覧ください。午前か午後のどちらかご希望のセッションを一つお選びください。

テーマ:初級から中級へーその目標と教え方ー
日時:2月26日(土) 10:00-11:30(1回目) 14:00-15:30(2回目)
場所:油麻地
講師:松田浩志先生、亀田美保先生 
おふたりとも『テーマ別中級から学ぶ日本語』『テーマ別上級から学ぶ日本語』の開発に関わられた方です。


2. 図書案内 

 漢字圏の学習者のみなさんは、非漢字圏のみなさんよりも日本語の漢字語彙の学習に関して大きなアドバンテージがあるとよく言われます。でも、実は漢字圏ならでは難しさもあります。

 これまでわたしがよく出会った間違え例に、次のようなものがあります。
①(自分の発表の前に)「先生、緊張です!」‥‥‥「緊張」には名詞としての使い方もありますが、
 このような場合は「緊張し(てい)ます」のように動詞化して(いわゆる「する動詞」として)使います。
 中国語の「緊張」には「忙しい」の意味もあるそうですから、ますますややこしいですね。

②(人間関係を説明するときに)「リョウ君はユキちゃんに関心します。」‥‥‥「関心」は動詞化できません。
 「関心があります」のように名詞として使います。
 これを音だけで聞いたら「リョウ君はユキちゃんに感心しています」と誤解することもあります。

 長い前置きになりましたが、今回は漢字学習のための本を2冊ご紹介します。

(1)『日本語教師のための実践漢字指導』 濱川祐紀代 編著 (くろしお出版)2310円

くろしお出版の書籍紹介ページはこちらです。↓
http://www.9640.jp/xoops/modules/bmc/detail.php?book_id=11845&prev=new

学習意欲を高めるようなクラス活動をさがしているみなさん、漢字・語彙習得についてもっと知識を深めたいと思っている先生に役立つ1冊です。

・さまざまなニーズに合わせた漢字の指導例が数多く集められています。
・中国語母語者の気持ちも取り上げられています。

(2)『日本語学習のためのよく使う順 漢字2100』 (付録CD-ROM : 漢字語彙3万6千語-学習指標値付き) 
徳弘康代 編著 (三省堂)

三省堂の書籍紹介ページはこちらです。↓
http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/dicts/ja/kanji2100/index.html

 本書の新しさは、収録した漢字の配列順(=日本社会でよく使われる順)と、その漢字を使った単語が載っていることです。本書の「よく使う」というのは、NTTデータベースシリーズの「日本語の語彙特性」を基礎資料としています。

 収録漢字は2100字。収録語彙数は36000語。字体は、教科書体、明朝体、ゴシック体。筆順、読み、意味、旧日本語能力試験の級、日本の小学校で学ぶ学年、漢検の級を表示。英語訳とローマ字も付記されています。巻末には練習問題もついています。

 本書の著者の徳弘先生は、3月26日27日に開催される「香港日本語教育セミナー」の講師として日本からいらっしゃいます。このセミナーのご案内は次号の「☆☆日本語図書案内☆☆」でお知らせします。

 私事で恐縮ですが、わたしのオフィスにときどき遊びに来る小学校4年生の娘は、オフィスにある本を暇つぶしに手にとって見ていますが、
 この本は「すごくいい本だよ。家に持って帰ってもいい?」「この本ちょうだい。」と言います。
 『エリンが挑戦!日本語できます。』も気に入っていましたが、欲しいとまでは言いませんでした。
 漢字が好きなわけでもありません。3年生の漢字もあやしいのですが(内緒^^)、なんだかとても大切そうに家に持って帰りました。


3.授業準備に使えるウェブサイト

「て形」の歌

 日本語の学習にはいくつもの山があると思いますが、最初の山がひらがなとカタカナを覚えることだとすると、次の山は、おそらく、グループⅠ動詞(=五段活用の動詞、=irregular verb、= U verb)の「て形」を覚えることではないでしょうか。

 この山をすんなり越えるために、歌を使った学習法があります。動画サイトYou Tubeを見ると、実にさまざまな「て形」の歌があります。
 学習者の作品も多いようです。替え歌を作り、動画の編集までしたら、きっと「て形」も完璧ですね。
 わたしにとってわかりやすかった例を紹介します。みなさんもお気に入りを見つけて授業でご活用ください。

① Nattohime の te-form-song2   「サンタが街にやってくる(Santa Claus is Coming to Town)」のメロディーです。
  http://www.youtube.com/watch?v=UxgsX68knbc  

② Crazy Asian 3119 の -te form song  日本人の方には「おたまじゃくしはカエルの子」でおなじみの 「リパブリック賛歌(Battle Hymn of the Republic)のメロディーです。
  http://www.youtube.com/watch?v=aaBYG4leNBg

 歌が何を意味しているかピンとこない方は、①の最初の「さあ、てformの歌を練習しましょう」の部分の画像にご注目ください。①②の歌詞を書いてみました。ご参考まで。


①の歌詞            ②の歌詞
  うつる  って         会う  会って
  むぶぬ  んで         待つ  待って
  す    して         とる  とって
  く    いて         読む  読んで
  ぐ    いで         遊ぶ  遊んで
                  死ぬ  死んで
  くる   きて         書く  書いて
  する   して         消す  消して
  いく   いって        急ぐ  急いで
                  みんな
  おきる  おきて        U verb, te form
  たべる  たべて
  みる   みて         うつる って \
  ねる   ねて         むぶぬ んで |*
                  く   いて |
                  ぐ   いで  /
                  *
                  *
                  *
                  す   して
                  U verb, te form

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(^o^)今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。みなさんからの感想やリクエストをお待ちしています。
 
「☆☆日本語図書案内☆☆」のバックナンバーは、香港日本語教育研究会のホームページから見ることができます。

(木山)
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