月例会発表概要

あなたはなぜ日本語を教えますか?

橋本拓郎 先生
香港大学日本研究学科


対象 :日本語教師の方、日本語教師を目指す方
目的1:自分が理想とする日本語教育や、日本語教育の目的について、自分なりに考え、より意味のある日本語教育を目指す。
目的2:自分の日本語教育に対する考え(ビリーフ)を、教室活動へ反映する可能性を探る。

この月例会では、以下のような問いについて考えてみましょう。

  • なぜ日本語教師になろうと思ったのですか?
  • あなたの学習者にはどんなことを学んでほしいですか?
  • 何のために日本語を教えるのですか?

他にも、こんな問いはどうでしょうか?

  • 学習者が日本語能力試験に合格するため?じゃあ、N1合格のその後は?
  • 日本語能力の向上?そもそもなぜ日本語能力を向上させたいの?
  • 学習者が日本に旅行するときに話せたり、日本のアニメを理解できるようになるため?本当にそれだけなのだろうか?もしそれができるようになったら、その先は?
  • 教室で使っているそのハンドアウトは、何のため?
  • 教室でしている活動をすると、学習者はどう変わるんだろう?学習者にどうなってほしいんだろう?

 当然ですが、私がこれらの問い全てにちゃんと答えられるわけではないし(笑)、模範解答もありません。でも、自分なりの答えはある程度見つけることができるはずです。こういうことを考えておくと、「何を」「どうやって」教えたらよいかわからなくなったとき、そして教師として困難にぶつかったときに、手助けになるでしょう。また、自分のビリーフに合った活動を、学校で決められた授業の枠内に入れる可能性が見つけられるかもしれません。

 すぐに使える「手法」や「教え方」を学ぶ場ではありません。あくまでも日本語教育に対する自分自身の目的について、自分で考えるための場です。