教務主任　亀田美保
大阪YMCA国際専門学校日本語学科

　2014年12月に、『テーマ別中級から学ぶ日本語三訂版』が出版されました。1991年の初版以来、実に20年あまり多くの先生方や学習者の皆さんに使っていただきました。そして、今回は香港日本語教育研究会の月例会にお招きいただき、この教材について紹介させていただく機会を得ましたことは誠に光栄なことと感謝申し上げます。

　さて、今回の月例会では表題の通り、教科書のタイトルとなっている「テーマ別」の「テーマ」について改めて考えたいと思います。この教材の真のねらいは「対話」です。教師と学習者、学習者間で共有したいテーマを設定し、根拠を示しながら意見や感想を述べたり、異なる視点や考えを持つ相手とも情報や意見の交換ができることを到達目標として学習を進めていきます。けれども、「意見を述べる」と言っても学習者にとってはそれほど簡単なことではないでしょう。テーマについて知識を深める、自分自身の考えをまとめる、異なる考えを想定するなど、話すための準備が必要です。どうすれば、有意義な対話ができるのか、皆さんとともに考えたいと思います。